その6
自然を生かした技
コンセプト
海外からもたらされた技術によって急速に発展を遂げたことで、機械的になった現代に、もう一度自然を生かした技術を見せたい。
日本独特の気候風土にあわせた知恵と技術が詰まっている屋根をモチーフに、最も自然状態に近い素材である茅葺により表現する。
日本と海外の茅葺の違いを表現する。例えば次の様なこと。
- 日本の茅葺の下地は、他に比較しても非常に工程が多く、丁寧に作られていて美しい。→外からも下地が見えるようにした。
- はさみを使用して仕上げる。軒付けが厚く印象深い。→茅の葺き厚に意識が向かうような形にした。
他の特徴として上は茅葺、下は杉皮葺とし、勾配を急なものとし、シンボリックにした。
隈先生からのアドバイス
- 茅に着目したのは面白いが、形が日本を表現できていない。ヨーロッパの人々がこれを見たときに、「これは日本じゃない」と怒るかもしれない。彼らの日本に対する見方は、憧れや理解があると同時に厳しい。
- 茅葺は外から見るのも美しいが、中から見上げるのも美しい。
- 下地ももっと近くで見せるなどの工夫があってもいいのではないか。
- 茅葺ならもっといいのができると思う。確かに日本の茅葺はきれいだから。
G君の生みの苦しみ
- 茅を使ったモニュメントとして完成させる。
- 形を日本風にすると屋根になってしまう。日本をイメージさせるために屋根の雰囲気も残しつつ、モニュメンタルなものに仕上げることを考える。
- 日本の本物の茅葺屋根の特徴を良く考え、ある部分を追求して本物に勝るものにしたい。